ダイヤモンド
宝石の中で最も硬く、世界中の人々を魅了してやまないのがダイヤモンドです。鉱物学的には鉛筆の芯と同じ炭素の塊であり、硬度は最高ですが、靭性はサファイアやルビー、翡翠よりも低くなっています。ダイヤモンドは、天然でもっとも硬い物質であり、日本語では「金剛石」とも呼ばれています。
ダイヤモンドはマントル起源の火成岩であるキンバーライトに含まれています。キンバーライトは、カンラン石と雲母を主要構成鉱物とする超塩基性の火成岩です。ダイヤモンドの結晶の原子には不対電子が存在しないため、電気を通さず、結晶構造は多くが8面体で、6面体や12面体のものもあります。宝石や研磨材としても利用されています。宝石などには耐久性の表し方として靭性という割れや欠けなどに対する抵抗力がありますが、ダイヤモンドは鉱物としては靭性が低く、金槌などで上から叩くと割れてしまいます。安定性があるとよく言われていますが、これは薬品や光線などによる変化に対する強さのことを指します。硫酸や塩酸、また日光などで変化することもありません。逆に、油になじみやすいという性質があります。
この性質を利用してダイヤモンド原石とその他の物を分ける作業も行われています。一般的に無色透明のものよりも黄色みを帯びているものや褐色の場合が多く、無色透明であるほど価値が高いとされています。
黄色や茶色などの色は価値が下がりますが、ブルーやピンク、グリーンなどの場合には希少であることから無色のものよりも高価に取引されています。
品質を知るための指標として「4C」という言葉が使われていますが、これはアメリカ宝石学協会が考案したもので、色(color)、透明度(clarity)、重さ(carat)、研磨(cut)によって品質を評価しています。
色はマスタートーンを基に判定され、最高はD、以下E、GとZまでの23段階となっています。透明度は、傷やインクルージョンの大きさや位置、数などによって判定されます。最高はFL(Flawless)で、一番下が内包物が肉眼でも容易に発見できるI(Imperfection)となっており、全部で11段階です。
重さは石の重量で、1カラットは0.2グラムとなっています。カットは唯一人の技術が評価される要素で、ラウンドブリリアントカットの場合にのみ、カットに対する評価がなされます。総合評価は、EXCELLENT(EX)を最高に、以下VERY GOOD(VG)、GOOD(G)、FAIR(F)、POOR(P)までの5段階で評価されます。宝飾用のダイヤモンドの代用品としては、ジルコニアやガラスが用いられています。
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