エメラルド

エメラルドは、世界四大宝石の一つとして非常に有名な宝石です。鉱物学的にはアクアマリンと同じベリルグループに属し、その美しい緑色はクロムによるものです。エメラルドは内部に多くの傷を持つことが特徴で、固体・液体・気体の三つの層があります。硬度は非常に高いものの、割れやすいため取り扱いには注意が必要です。

エメラルドの歴史は非常に古く、紀元前2000年頃、もしくは紀元前4000年頃には既に宝石として使用されていました。古代メソポタミアやエジプトの遺跡からも、この石の装飾品が発見されており、その歴史の深さが伺えます。

ヘレニズム時代には、特にギリシア人に愛された宝石であり、その後のローマ帝国でも最も人気の高い宝石の一つとして扱われました。ヴェスヴィオ火山に埋もれたポンペイの遺跡からもエメラルドが発掘されています。ローマの皇帝ネロが、この石で作られた単眼鏡を愛用していたとも言われています。

エメラルドの美しさは多くの人々を魅了し、多量のエメラルドを産出したクレオパトラ鉱山は、国王や侵略者、探検家によって発掘され、既に取り尽くされています。また、エメラルドは魔除けや広い視野、眼力、知恵、記憶力を司る石とされ、古代ローマでは神像の目にも使用されるほど、目と深い関わりを持つ石とされています。

宝石言葉としては「幸福」を意味し、現在でも色付きの宝石の中で根強い人気を誇っています。